土地の値段はこう決まる (朝日選書)



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土地の値段はこう決まる (朝日選書)
土地の値段はこう決まる (朝日選書)

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うーん

鑑定件数業界第1位で、若い鑑定士を安い報酬で使っている大業者の社長が、私は業界で異端で、若い鑑定士に期待するとか言ってもねえ。
世の中のウラを知らない素人には面白い本かもしれんが。金融や不動産の専門家が読んだらーーーーーー。
裏話と自慢話と

ちょっとビジネスが入った購入。結構気になるタイトル。
会社の新人も(タイトルだけで)買っていた。
(内容との関連性は、読んだ人自身が判断すれば良いので、ここでは触れない)

土地(特に地価)に関しては、とてもとても理論的なものと、実務者による裏話的なもの、そして(大学の先生に多いが)評論家的なもの、と3つに分かれるようである。もちろん、最後のものは社長の訓話のネタくらいにしかならない。

この本、不動産鑑定に携わっている経営者の著したもので、前半は評論家的のもの、後半は裏話的なものである。
前半の評論家的な部分。すぐ上で、評論家的なものをけなしたが、この著者の主張は、実務者としてのプライドに満ちており、その意味では迫力がある。ただ、地価が半分に下がる可能性は、理論的にはあり得ると思うが、著者の主張のロジックでは厳しいような気がする。

後半の裏話。これは面白い。断片的に聞こえてくるような不動産鑑定士の行動原理が、活字としてうまく整理されている。もちろん、みんながみんな、そうでは無いとは思うが、既得権益に守られた業界として必死なんだな、というイメージ。この著者、つまはじきにされないんだろうか。
裏話というのは面白いだけで終わってしまいがちで、この本もそういう面がなきにしもあらず、だが、具体的な提案として掲げられている「標準化鑑定調査価格」の見直し、というのは興味深い提案である。国で検討されている取引価格の公表と、流れは一緒だが、個人的には著者の提案の延長線上での公開の方が役立つと思う。

旧態依然とした業界を変える力として若い鑑定士への期待が記されている。変える、というより、社会的にふつうに考えて行動すれば変わるという趣旨であるが、これだけではなかなか難しいだろう。閉鎖的な体質の改善は、各種情報の開示等、仕組みの変更、外部からの働きかけが必要だ。

とは言え、若い人への期待に便乗。頑張って欲しい。
どこの業界も大変なんだ・・・

氏は業界の中でも異端であることを憚らず、不動産の鑑定というニッチ産業の更にニッチを攻めて、業界のトップを取ったようである。
構造改革の掛け声は久しいが、いわゆる士業にあってなかなかの曲折があっただろう。
書の前半にある地価動向分析にはやや特異なものを感じたが、書の後半部分の不動産鑑定業界に関する記載に自身の所属する業界を重ねてみると興味深かった。
不動産鑑定ってこうだったんだ

取引価格、公示価格、固定資産税評価額、路線化など、一つの不動産にさまざまな値段がつく不思議さ。あまりの不透明さから、どうしても不動産取引は胡散臭く思える。常々、不動産鑑定の仕組みには興味を持っていたが、歴史の中でどんどん歪んでしまった様子が良く分かった。長年鑑定実務に携わって来た著者だからこそ、バブル期の金融機関からのさまざまな要望(圧力?)についての記述にはナマナマしさがある。周りが狂って踊っている時に、正常な状態を保つのは勇気が必要であり難しいことだと感じた。ただ、半値になるという著者の相場感ではなく、将来の相場に対する論理的な説明があるともっと良かった。
パラパラと立ち読みしてから買えばよかったんですか。

オビの「バブル再生の80年代に土地は5年でいまの半値になると予言した著者が地価のこれからを分析!」という謳い文句に釣られて中身を見ずに購入。著者は不動産鑑定会社を経営。そう、内容は文字通り土地の評価の仕組みを解説するものが中心で、今後の土地・不動産マーケットの動きを占う内容は期待に反して少なかったです。最近の報道で「地価の二極化」がすっかり定着した感がありますが、著者は「ほんとうに二極化してるのか?」と疑問を投げかけます。丸ビルや六本木ヒルズを例に、大規模投資により一時的・局地的に地価があげているだけで全体の需給バランスは改善されてるのかという指摘にはナルホド。ただ、著者の豊富な業界経験に基づくもうちょっと具体的な将来予測も聞きたかった。「とにかく需給バランスは改善されてないから5年後には今の半値です」の一点張りでは納得がいきません。本の半分以上が一般人には興味がない「鑑定業務」に費やされているのも×。



朝日新聞社
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